研究課題/領域番号 |
19591499
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
中野 昌彦 福岡大学, 医学部, 助教 (90389354)
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研究分担者 |
安波 洋一 福岡大学, 医学部, 教授 (00166521)
安西 慶三 福岡大学, 医学部, 講師 (60258556)
波部 重久 福岡大学, 医学部, 講師 (70037430)
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キーワード | 膵島移植 / 糖尿病 / 膵島グラフト障害 / 非特異的炎症 / 凝固系 / 活性化プロテインC |
研究概要 |
平成20年度は下記の計画に従ってサルの同種膵島移植を行った。 (1)膵臓亜全摘出術と膵島分離 全身麻酔下に、腹部正中切開で開腹して、脾臓と共に膵体尾部を剥離し、門脈の直上で膵をリニアーカッターで切断し膵体尾部を摘出する。摘出後、直ちに膵島を分離し、培養する。この膵臓亜全摘出術と膵島分離を2頭のサル(ペアー)で行う。 (2)糖尿病誘発と膵島自家移植 サルは膵臓亜全摘だけでは糖尿病を発症しない。また、術後2〜3日で膵臓亜全摘のダメージから回復し、食事摂取も可能になるので、手術後4日目に全身麻酔下に薬剤を投与し糖尿病にする。その後、空腹時血糖200mg/dl以上が2回連続した時点で糖尿病と診断する。診断後2日以内に分離・培養した相手サルの膵島3000個/kgを、臨床と同様に経門脈的肝内に移植する。 最初のペアーは膵島収量が二頭とも約5000個で、移植基準に達しなかった。この原因として、膵の消化酵素であるリベレースが強すぎた、手術中に膵が温阻血状態になってしまった等が考えられたので、ブタにて膵島分離のシミュレーションを行った。その後に、2番目のペアーの実験に移り、膵島収量は20000-30000個と移植基準に達したが、一頭は膵切除後の膵液漏による腹膜炎で、もう一頭は糖尿病誘発のための薬剤投与後に死亡した。膵切除後でまだ手術侵襲から充分回復していない時期に薬剤を投与したために死亡したと思われる。
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