研究課題/領域番号 |
19591506
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402708)
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研究分担者 |
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90239525)
阿部 元 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80283563)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (70205219)
谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20179823)
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キーワード | 乳房温存療法 / 低侵襲治療 / センチネルリンパ節生検 / リアルタイムMRI / 乳癌 |
研究概要 |
本研究課題は、本邦において初めて導入された垂直型オープンMRI装置を用いてリアルタイムMRIナビゲーションを利用した乳癌に対する低侵襲治療システムの確立を目的として行った。 乳房全摘術前に患者に同意のもと、MRガイド下に乳癌に対するマイクロ波凝固療法を行った。全身麻酔下にオープンMR装置に患者を仰臥位とした。リアルタイムMR画像にて腫瘍の位置を観察しモニターしながら穿刺が可能であった。腫瘍は1セッション(60W, 60seconds×3回)マイクロ波凝固療法を施行した。マイクロ腫瘍凝固後に乳房全摘術を施行した。マイクロ波凝固中に有害事象は発生せず、ヒト生体内で乳腺腫瘍のマイクロ波凝固治療が安全に施行可能であることを確認した。摘出標本の肉眼所見と顕微鏡所見を検討した。腫瘍の凝固範囲は約20×30mmであることを確認した。NADH染色でも腫瘍部分の生物活性の消失していることを確認した。皮膚には合併症は認めなかった。我々の研究によりヒト生体内でもマイクロ波凝固を行った場合でも十分な凝固が得られることが確認された。将来の臨床応用を可能とする基礎的な情報を得ることができた。さらに、MRガイド下センリネルリンパ節生検の可能性について検討を行った。ガドリニウム造影剤1mlと色素1ml(インドシアニングリーン0.5mlとメチレンブルー0.5mlの混合液)を乳頭下に注入した。リアルタイムMRIイメージを用いてリンパ流を確認することが可能であった。しかし、リンパ流早く、造影剤がセンチネルリンパ節にとどまらず、センチネルリンパ節の位置の確認がリアルタイムMRI下では不可能であった。数例施行したが同様の結果であり、リンパ節内にとどまるMR造影剤の開発が必要と考えられた。これらの結果に関して、学会報告を行った。論文投稿中である。
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