研究課題/領域番号 |
19591507
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
村田 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90239525)
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研究分担者 |
清水 智治 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70402708)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (70205219)
阿部 元 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80283563)
谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20179823)
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キーワード | 癌 / 抗癌剤 / 免疫学 / 低侵襲治療 / 外科 |
研究概要 |
前年度までに行った動物実験で乳癌に対するDoxilの乳管内治療効果が認められた。20年度は1)乳管内投与した抗癌剤のリンパ管及びリンパ節内への薬剤集積を調べ、リンパ性転移に対する治療への応用を検討した。また2)Doxil以外の新規抗腫瘍薬剤の乳管内治療による抗腫瘍効果の検討を行った。 1)マウスにある片側5個の乳頭より、それぞれの乳管内注入したICG試薬(緑色)を肉眼的および赤外線観察カメラシステム(PDE)にて観察し、リンパ管の経路、および所属リンパ節(センチネルリンパ節)を同定した。(ICGに赤外線を当てると蛍光(赤外線)を発しリンパ流の流れが同定できる)Doxilを乳管内投与し、一定時間後にセンチネルリンパ節を摘出し、リンパ節内Doxil濃度を測定すると、反対側のリンパ節内濃度と比較し、Doxilのリンパ節内集積が有意に上昇していた。即ち乳管内投与した抗癌剤は乳癌に対する抗腫瘍効果を発揮すると共にリンパ流にも乗ってリンパ管から所属リンパ節へと抗癌剤が移動する事がわかり、現在乳房温存術後に標準治療として施行されているリンパ管内に遺残している可能性のある乳癌細胞に対する放射線治療に代わる、新たな治療法となりうる可能性を示した。 2)タキサン系薬剤に、ナノ粒子アルブミンを接着させた薬剤Abraxaneの乳管内治療における有効投与量を自発乳癌マウスを用いた乳癌治療実験で調べた。Abraxaneの静脈内投与と比較し、Abraxaneの乳管内治療は有意に高い乳癌治療効果を認めた。局所滞在性の高い薬剤による乳管内乳癌治療の有用性を示した。
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