研究課題/領域番号 |
19591510
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
定永 倫明 九州大学, 大学病院, 助教 (20304826)
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研究分担者 |
塩谷 聡子 九州大学, 大学病院, 医員 (90419549)
沖 英次 九州大学, 大学病院, 助教 (70380392)
森田 勝 九州大学, 大学病院, 助教 (30294937)
掛地 吉弘 九州大学, 大学病院, 准教授 (80284488)
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キーワード | 乳腺外科学 |
研究概要 |
【目的】ER、PgR、HER2陰性であるいわゆるtriple negative乳癌症例は、内分泌療法や、HER2分子標的治療薬のtrastuzumabの適応外であり、標準的な化学療法にも難治性であり、新たな治療法の開発が必要である。癌細胞においてアクトミオシン系を介した細胞運動調節機構にRho-kinase(ROCK2)が関与することが近年明らかにされた。今回、乳癌症例の中で、特に新規治療法の開発が急務なtriple negative乳癌における発現の意義について検討した。【対象、方法、結果】2000-2006年において手術を施行した原発性乳癌症例231例中、triple negative乳癌26症例(11.3%)に認め、その中で解析可能な16例について、抗ヒトROCK2抗体を用いて免疫組織化学染色(SAB法)にて評価した。ROCK2の発現は、強発現群12例(75%)、中程度発現4例(19%)、無発現1例(6%)であった。【考察】新規治療法の開発が急務なtriple negative乳癌症例の75%と比較的高い頻度でROCK2の強発現が認められたことから、ROCK2阻害剤による分子標的治療の可能性が示された。より多くの症例について検討するとともに、triple negative以外の症例についても解析を加え、乳癌における細胞運動調節機構の分子機序解明と新規治療法の開発について検討する。
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