研究課題
基盤研究(C)
バセドウ病に対する外科的治療は、抗甲状腺剤、内照射療法に次ぐ治療法である。適応は、抗甲状腺剤使用により重篤な副作用が認められるか、内照射療法ができない症例である。従って外科治療となったバセドウ病患者は、術後再発防止のために術後甲状腺ホルモンは低下症となることが多い。現在、甲状腺低下症に対してはT4製剤の服薬にて対処しているが、バセドウ病患者の自己甲状腺組織の移植において、甲状腺機能低下症を回避できる可能性がある。本研究では、まず、バセドウ病術後患者における、バセドウ原因抗体であるTSH受容体抗体の推移を確認した。我々の施設では、バセドウ病術後は、ほとんどの症例で長期的に甲状腺ホルモン低下症となっていることが確認された。また、TSH receptor抗体の陰性化が18%に認められた。このような症例においては凍結保存している自家甲状腺組織の移植の候補となると考えられる。凍結保存は無血清培地を使用し保存しているが、患者希望および同意が得られて移植に至った症例は現時点では認められない。将来的に患者希望がでてきた場合は、最適な移植により、完全コントロールを試みる。 なお、培養系に関しては、数例の保存組織よりviabilityに関しては生存組織が存在することを確認した。培養系および調整系を検討中である。
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鏡視外科学会雑誌 (1)
ページ: 97-100
Nagasaki 54
ページ: 9-14