研究課題/領域番号 |
19591527
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
亀井 尚 東北大学, 病院, 助教 (10436115)
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研究分担者 |
宮田 剛 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60282076)
武田 元博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10333808)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
里見 進 東北大学, 病院, 教授 (00154120)
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キーワード | 食道癌 / CdSeナノクリスタル / 蛍光計測 / リアルタイムイメージング / センチネルリンパ節 / 蛍光内視鏡手術 |
研究概要 |
本研究の目的は半導体CdSeナノクリスタルに癌細胞分子標的タンパクに特異的に結合する抗体・ペプチドなどの官能基を付加させることにより癌細胞に集積させる機能を持たせ、生体内でリアルタイムに癌組織を蛍光イメージングする手法を確立させることである。本年度は以下のように研究を行い、結果を得た。 1)CdSe機能複合体の作成・精製 より広い臨床応用にむけて、抗Her2抗体のほかに癌細胞特異的に結合する抗体で比較的入手しやすいもの(抗EGFR抗体や抗VGEF抗体)を結合させた機能的CdSe粒子の作成を試みたが、安定性と癌結合能が悪く癌細胞での蛍光強度が安定しては測定できなかった。いくつか条件を変更し、集積効率を上げる条件を検討している。 2)坦癌マウス、転移モデルでのイメージング条件の検討 ヒト食道癌坦癌マウスをモデルにCdSe-HER2抗体複合体を投与して、体外からの癌組織イメージングを行った。集積効率を上げる条件を継続して検討している。残念ながら、そのほかの官能基付加での検出にはいたっていない。 3)蛍光内視鏡下手術システムの改良と条件の検討 昨年度に引き続き、大動物モデルとして行ってきたブタのリンパ節蛍光検出を検討数を増やして行ったほか、食道、胃を対象にして、センチネルリンパ節がトレーサーを消化管粘膜下投与することによって検出できることも確認した。さらに小腸投与で、腸管膜リンパ節の検出も可能であった。それぞれ、その滞留時間や蛍光強度の推移を検討した。内視鏡手術に応用するために、レーザー励起装置とバンドパスフィルターを組み込んだ新規システムを作成し、この改良を行いつつ、生体内リアルタイム内視鏡下高感度蛍光計測と検出可能深度の検討を行った。摘出リンパ節でも蛍光強度が残存していることを確認し、さらに転移開始部位に相当する輸入リンパ管周囲への集積を初めて報告した。
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