研究課題
基盤研究(C)
【背景と目的】SEREX法は癌細胞由来の cDNA 発現ライブラリーの中から患者血清中の IgG 抗体が認識する抗原遺伝子を同定する方法であり、癌抗原のスクリーニング法として優れた方法である。SEREX (serological identification of antigens by recombinant cDNA expression cloning)法により食道癌関連抗原CUEC-10の同定・機能解析を行い、腫瘍マーカーとしての意義を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】食道癌細胞株 T.Tn より cDNA ライブラリーを作製し、食道扁平上皮癌患者血清を用いてSEREX法によるスクリーニングを施行した。SEREX 法を用い食道扁平上皮癌患者血清をスクリーニングし、新規の癌抗原としてCUEC-23を同定した。HCS cDNA を GST-融合タンパク質発現ベクター pGEX に組換え、合成された融合タンパク質を精製して ELISA 法により血清抗体のレベルを測定した。【結果と考察】CUEC-10に対する抗体価は健常者血清に比べ、患者血清において有意に高いことが判明した。食道扁平上皮癌患者における血清CUEC-10抗体陽性率はWestern blot解析で26%(14/54) であり、既存の腫瘍マーカーと併用することで、陽性率が高くなることが明らかとなった(CEAとの併用で44%, SCC-Agとの併用で41%, CYFRA21-1との併用で52%)。また、健常者群の平均値+3SDをカットオフ値とするとELISA解析では17%(43/91)であり、健常者対照群における陽性率は2.2%(1/45)であった。臨床病理学的因子との相関関係は、認められなかった。【結語】血清CUEC-10抗体は、新規の腫瘍マーカーとして有用であり、既存の腫瘍マーカーと併用することで、50%前後の陽性率となることがわかった。
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