研究分担者 |
上川 直文 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60282448)
中口 俊哉 千葉大学, 大学院・融合科学研究科, 助教 (20361412)
上原 知也 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (10323403)
荒野 泰 千葉大学, 大学院・葉学研究院, 教授 (90151167)
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
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研究概要 |
リンパ嗜好性色素インドシアニングリーン(ICG)のin vitroおよびin vivoにおける蛍光励起条件、励起蛍光波長の計測を行い、生体内動態観察に最適な設定を決定、これに基づいた腹腔鏡観察ビデオシステムを構築した。家畜ブタを用いた腹腔観察によるセンチネルリンパ節同定シミュレーションでは、従来から行われている可視光観察と比較し、今回試作したビデオシステムにより100倍から1000倍の感度でICG集積リンパ節、リンパ管が検出可能であることが明らかとなった。 また,長時間センチネルリンパ節に滞留し,2次リンパ節への流出の少ない蛍光トレーサーを開発するため,酸化チタン多孔体を用いたICGの粒状化を検討した。ICGを吸着した粒状態は容易に作成可能であったが,必ずしもリンパ節、リンパ管観察に十分な励起蛍光強度は得られなかった。in vitroの実験からICGの励起蛍光は血清蛋白の特定の成分との結合割合により大きく変化すること(ICG/蛋白比が大きい場合は吸収波長優位となり,小さい場合は励起蛍光優位となる)が明らかとなり,特定の蛋白成分との安定した結合比率を持つ粒状態の作成が必要と考えられた。 また,ブタおよびラットを用いたセンチネルリンパ節同定シミュレーションから,ICGが単体で投与された場合,比較的短時間(数分から数十分)で1次リンパ節からwash outされてしまうと考えられていたが,蛍光観察で同定可能な量のICGは少なくとも数日間1次リンパ節に滞留していることが明らかとなった。この長時間1次リンパ節に滞留する分画の物理学的特性を明らかにすることが本研究の目的達成のための最重要案件であると考えられた。
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