研究分担者 |
小寺 泰弘 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10345879)
中尾 昭公 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70167542)
坂口 正道 名古屋工業大学, 工学系研究科, 准教授 (60283727)
藤本 英雄 名古屋工業大学, 工学系研究科, 教授 (60024345)
|
研究概要 |
腹部の低侵襲手術(腹腔鏡下手術)手技の中で,合併症が深刻な結果をもたらすという意味で重要なものに,最初に腹腔内にアクセスする第1トロッカー挿入手技がある.トロッカーによる腹腔内臓器損傷事故は以前より報告されており,訓練法の開発が重要であるが,これまで有効な訓練法が無かった.われわれは患者を練習台にせずに実際的な訓練が行えるバーチャル・リアリティ(VR)・シミュレータの開発を行った. 安全で迅速なオプティカル法のVRシミュレーションを行うシステムとして,腹壁穿刺力の反力を提示する機構と,内視鏡画像を提示する機構を開発した.反力提示は,ジンバル機構とパンタグラフ機構を組み合わせた4自由度構成で,パンタグラフ機構部分にはサーボモータと台形ねじを用い,トロッカー先端の上下方向の位置を制御し,パンタグラフ機構上部にはシンバル機構とエンコーダ,ジンバル機構の根本にカセンサが装備され,トロッカー挿入時の姿勢および回転,穿刺力が計測される.また,実際の内視鏡画像から編集した画像をトロッカー操作に連動してモニターに提示するシステムを開発した.一方,学内倫理委員会の承認を得て,実際の手術時におけるトロッカー挿入時の穿刺力を測定を開始した.このデータをもとにVRシミュレータを製作することになる.最終的に外科医師により試用を行って実用に耐えるシステムであるか検討中するが,これは,世界初のトロッカー穿刺VRシミュレータであり,より安全な医療をめざす上で重要かトレーニング機器となると考えられる.
|