研究課題/領域番号 |
19591541
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮田 博志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80362713)
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研究分担者 |
土岐 祐一郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20291445)
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50444518)
藤原 義之 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40314330)
瀧口 修司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00301268)
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キーワード | 食道癌 / 好気的解糖 / ATP産生 / アポトーシス / 化学療法 |
研究概要 |
1ヒト食道癌組織における解糖系酵素pyruvate kinase M2(PKM2)発現の検討 当科での食道癌切除標本において抗PKM2抗体を用いた免疫染色を行い食道癌組織における PKM2発現の検討を行った。対象は90例(術前未治療45例、術前化学療法45例)。PKM2の免疫染色の評価は陽性細胞数のfrequencyとintensityの総合評価をスコア化し高発現/低発現の2群に分けて検討を行った。PKM2の発現は正常組織ではみられず癌組織のcytoplasmのみに見られた。術前未治療例の46%、術前化学療法例の65%がPKM2高発現であり術前化療群で発現が強い傾向がみられた。術前未治療と術前化療例のいずれにおいても臨床病理学的因子との関連は明らかでなかったが、生存率はPKM2高発現群で予後不良であり、食道癌組織におけるPKM2発現は癌の悪性度を反映すると考えられた。 2食道癌細胞株におけるPKM2発現抑制効果の検討 食道癌細胞株TE3、TE8においてsiRNAによりPKM2をknoch downした細胞株TE3kd、TE8kdを作成し、PKM2抑制による細胞増殖などの検討を行なった。正常酸素濃度下での培養ではPKM2knock downによる増殖変化は見られなかったが、低酸素培養下ではPKM2knock down株では有意に増殖が抑制された。また正常酸素下ではATP産生はPKM2knock downの影響を受けなかったが、低酸素下ではRKM2knock down株では有意にATP産生が減少していた。以上より、低酸素下条件においては食道癌細胞の増殖のためのエネルギー産生はPKM2に依存ずるこどが考えれられた。
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