研究課題/領域番号 |
19591551
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
寺島 雅典 静岡県立静岡がんセンター(研究所), 胃外科, 胃外科部長 (40197794)
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研究分担者 |
望月 徹 静岡県立静岡がんセンター, 遺伝子診療研究部, 部長 (00117780)
大島 啓一 静岡県立静岡がんセンター, 遺伝子診療研究部, 研究員 (10399587)
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キーワード | 胃癌 / 癌幹細胞 / sHH / PTCH-1 / Gli / 予後因子 |
研究概要 |
近年、固形癌においても癌幹細胞が存在する可能性が指摘されているが、ヒト胃癌における癌幹細胞は未だ同定されておらず、その生物学的意義に関しても解明されていない。そこで、本研究では、胃癌において癌幹細胞を同定しその臨床病理学的意義並びに生物学的特質を明らかにする事を目的とした。まず始めに、幹細胞としての特質を有すると考えられる細胞の同定と臨床病理病理学的因子との関連について検討した。即ち、sHh経路に関連する分子の発現と臨床病理学的因子との関連について胃癌切除例128例を対象として免疫組織染色にて検討した。その結果、SHHは未分化型胃癌に比べ分化型胃癌で強い発現を認めた。また分化型胃癌においては、PTCH1発現強陽性症例は発現陰性・弱陽性症例に比べ優位に生存期間が短縮していた。分化型胃癌における多変量解析ではPTCH1の発現とリンパ節転移が独立した予後因子であった。SHH、SMOの発現と臨床病理学的因子および生存期間との間には明らかな相関を認めなかった。更に、real-time RT-PCRによりmRNAの発現程度と臨床病理学的因子との関連について検討すると、SHHとPTCH1の高発現例では有意に生存期間が短縮しており、多変量解析ではPTCH1が独立した予後因子であった。これらの検討から、PTCH1は胃癌の進展些おいて促進的な役割を担っており、胃癌において独立した予後予測因子となる事が示唆された。
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