研究課題/領域番号 |
19591569
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
小坂 健夫 金沢医科大学, 医学部, 教授 (30186663)
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研究分担者 |
菅谷 純一 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20298342)
黒田 雅利 金沢医科大学, 医学部, 助教 (90424902)
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キーワード | 胃癌 / 化学療法 / 予後因子 / 5-FU代謝酵素 |
研究概要 |
(1)手術を受けた患者の予後を含めた臨床病理学的データを収集した。統計学的計算はコンピューターソフトSPSSを用いた。栄養指数や腫瘍マーカーは予後予測因子としても検討されていることから、術前に得られるこれらの指数の再発リスク因子としての重みを検討した。(結果)多変量解析ではリンパ節転移程度・リンパ球数・総コレステロール値が有意な予後因子で、時期・性が有意な傾向を示した。層別の検討では、リンパ球数はT2およびN0/1で、TCはT2/3およびN1/2/3で予後因子の傾向だった。これらについて、今後さらに検討する予定である。 (2)部位別の5-FU代謝酵素活性と進展度、有害事象、効果および予後との関係を検討した。その結果1.癌部・リンパ節のTSおよびDPDは正常胃粘膜に比べ高値であった。2.癌部のDPDは根治度Cでやや高値であった。3.正常粘膜DPD低値群では、S-1投与例においても有害事象がやや高率であった。4.S-1投与例では、癌部DPD低値群で奏効率がやや高率であった。 5.癌部TS低値群、OPRT高値群の予後が良好の傾向であった。以上より、進行胃癌の治療において5-FU代謝酵素活性の測定は予後の予測に有用な可能性がある。また薬剤ではTS-1投与が有用である可能性がある。これらについて、今後さらに検討する予定である。
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