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2009 年度 実績報告書

噴門側胃切除後の残胃運動機能に関する臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 19591570
研究機関関西医科大学

研究代表者

中根 恭司  関西医科大学, 医学部, 教授 (60155778)

研究分担者 道浦 拓  関西医科大学, 医学部, 助教 (10360257)
キーワード噴門側切除術 / 残胃運動機能 / RI胃排出試験 / 術後QOL
研究概要

【目的】幽門側残胃の運動機能をRI胃排出試験を用いて評価し、健常人と比べてどの程度保たれているのか、また幽門部の運動に幽門洞枝(Latarjet枝)が必要か否かについて、前年度に引き続いて検討を加える。
【対象・方法】手術手技は以下の如く統一して行う。(1)噴門側切除範囲は1/3~1/2とする。(2)迷走神経は肝枝、幽門枝および腹腔枝を温存する。症例により幽門洞枝も温存する。(3)再建方法は10~12cmの空腸を間置する。(4)ドレナージ手術は行わない。術後の検索項目として、術後愁訴、食事摂取量、各種栄養指標、pH・胆汁モニタリング、内視鏡、RI胃排出試験などを用いて評価する。RI胃排出試験は、99mTc-DTPA添加粥食(200g,151kcal)を用いて術後1年目に行い、摂取60分後の停滞率(立位)で評価する。
【結果および考察】21年度の対象症例は8例(男性7)で、縫合不全やSSIなどの合併症はみられない。術後2ヶ月目の内視鏡検査では逆流性食道炎は全くみられていないが、食道空腸吻合部に1例、空腸残胃吻合部に2例狭窄を認め、バルーン拡張術施行。拡張後は全例に十二指腸までの挿入は可能である。また6例(75%)に残胃内に中等量の食物残渣を認めている。術後3、6、12ヶ月に術後愁訴や食事摂取量につき問診した。食後のつかえ感や膨満感はほぼ全例に認めているが、軽度であり、経過と共に軽快、また摂食量も徐々に増加している。1年経過例のRI胃排出試験では、健常人に比して遅延していたが、幽門洞枝温存群では健常人に近似しており、つかえ感も少なくQOLは良好であった。リンパ節郭清のため幽門洞枝を温存出来る症例は少ないが、幽門側残胃の正常な排出能には幽門洞枝は必要と考えられる。幽門洞枝を温存できない場合は排出が遅延するため、つかえ感や摂食不良が予想される。したがって幽門側残胃の大きさが重要であり、噴門側切除の適応は1/2以上の残胃が残せる症例に限り行われるべきである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 噴門側胃切除術―標準手術からのステップアップー2009

    • 著者名/発表者名
      中根恭司, 道浦拓, 井上健太郎
    • 雑誌名

      Digestive Surgery Now:食道・胃外科手術 6

      ページ: 159-170

  • [雑誌論文] 胃切除後障害―逆流性食道炎の病態と対策―2009

    • 著者名/発表者名
      中根恭司, 他
    • 雑誌名

      臨床消化器内科 24

      ページ: 1471-1476

  • [雑誌論文] 胃全摘後の空腸パウチの縫合・吻合2009

    • 著者名/発表者名
      中根恭司, 他
    • 雑誌名

      臨床外科 64

      ページ: 118-121

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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