研究概要 |
移植細胞の検討 DNA修復酵素であるメチルグアニンメチル基転移酵素(MGMT)をコードしているMGMT遺伝子のプロモーター領域のメチル化はMGMT活性を低下させるため、実験動物に移入する膵癌細胞内のMGMT活性の測定は本分子標的治療を評価する上において重要な意味をもつ。現在、教室で保有し動物実験に使用予定である膵癌細胞株のMGMT遺伝子のプロモーター領域のメチル化について、それぞれの細胞株においてgenomic DNAを抽出し、methylation specific PCRを施行し、同領域のメチル化の有無ならびにその程度について検討を行った。YPK-1, YPK-3, YPK-4はMGMT遺伝子のプロモーター領域のメチル化されており、YPK-6, YPK-8, YPK-9, YPK-10がいずれもMGMT遺伝子のプロモーター領域はメチル化を受けていないことが判明した。 分子標的治療薬およびメチル化剤の至適投与量の検討 一方、ヌードマウスにおけるMGMTの分子標的薬である06BGおよびメチル化剤であるテモゾロミドの至適量の検討を行った。その結果、06BGは3.5mg/kg、テモゾロミドは750mg/kgの投与が望ましいことが判明した。 ヌードマウスにおける移入膵癌細胞に対する分子標的薬の治療効果 YPK-1およびYPK-6を移植したヌードマウスに06BGは3.5mg/kg、テモゾロミドは750mg/kgで投与を行なったところ、非メチル化細胞を移入したマウスに分子標的治療治療の効果を認めた。
|