研究課題/領域番号 |
19591595
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
上野 真一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40322317)
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研究分担者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 理事 (60117471)
阿邉山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任准教授 (30284897)
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
迫田 雅彦 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 特任助教 (40418851)
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キーワード | RAGE / HMGB1 / 肝細胞癌 / 食道癌 |
研究概要 |
1)ヒト肝細胞癌(HCC)において,そのHMGB1ならびにRAGEの発現と臨床学的パラメータを比較した.RAGEmRNAの発現は肝炎、肝硬変組織で上昇し、さらに肝癌組織では上昇した。したがって発癌への関与が強く疑われたが、HuH7やHepG2などの肝癌細胞を用いたin vitroの実験から、RAGEを有する細胞やあるいは強発現させた細胞は、それを有さない細胞よりも低酸素抵抗性が高いことが確認された。したがって癌は、その初期にRAGEを発現させ周囲環境が整うまでの低酸素状態に打ち勝つ能力を獲得するのではないかと考えられた(Hiwatashi et al.Ann Surg Onco12008)(Hiwatashi et al. Anticancer Res in press) 2)一方、RAGEのリガンドの1つであるHMGBIは、肝炎や肝硬変組織で上昇傾向は認めるものの、発癌状態や肝癌患者の臨床的パラメータとは明らかな相関は認められなかった。(論文投稿中) 3)さらに、肝癌が例えば高分化なものから低分化なものへ脱分化して行く時に、RAGE発現は現弱することが見出された。事実、明らかな肝癌症例では、RAGE発現が現弱した群が発現陽性群より予後が有意差を持って低かった。 4)3)の事実を他の癌でも確認するために食道癌症例200例、膵癌症例80例においても、RAGE発現と臨床的パラメータとくに予後との関連を検討した。従来、RAGE発現が癌悪性化を進展させる報告がみられたが、この報告とは逆に、食道癌・膵癌ともにRAGE発現陽性群が予後が有意によいことが確認された。(Tateno et al. Ann Surg Oncol2009,他にも投稿中)
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