研究概要 |
ヒト膵癌株化腫瘍細胞であるCIPT1細胞とMiaPaCa2細胞を膵癌化学療法の標準治療薬であるgemcitabineと長期間かつgemcitabine濃度を段階的に上昇させることでgemcitabine耐性のCIPT1細胞とMiaPaCa2細胞を作成した。この2種類の親株ならびに耐性株を用いて網羅的遺伝子解析を施行したところ、CIPT1とMiaPaCa2両方の細胞株でgemcitabineの耐性化とともに発現が変化した遺伝子はFLT1,SMAD3.PDGFB,EGLN1,STAT5B,KCNMA,ATPIB1であった 膵癌細胞株がgemcitabine耐性を獲得するに従い、PDBFBやEGLN1の遺伝子発現が変化することから、元来、低酸素状態にある膵癌組織がgemcitabineに対する耐性を獲得していくに従い、低酸素環境にも抵抗性を増強させることから、集学的治療の治療効果を減弱させている一因となることが判明した
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