研究課題/領域番号 |
19591606
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
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研究分担者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
宇山 直樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70402873)
飯干 泰彦 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10340994)
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キーワード | 再生医学 / 細胞・組織 / 流体工学 / シミュレーション |
研究概要 |
肝切除症例(ヒト)における残肝門脈枝の血流・圧の変動と灌流領域の肝再生に関する検討を中心に平成19年度の研究を行った。インフォームドコンセントが得られた肝切除症例に対して、術前に造影MD-CTをおこない、肝3-D画像を作製してそれぞれの門脈形態を抽出し、亜区域体積を正確に測定した(日立メディコ)。術後2週および3ケ月後に同様にMD-CT画像より残肝の亜区域体積を測定し、領域別の肝再生率を算出した。一方、流体解析ソフト(Fluent6.2)を用いて門脈血流における流体力学解析を行い、術前および術後の門脈血流の流速・圧変化をシミュレーションし、各亜区域門脈枝の血流量変化を算出した。その結果、肝切除後の領域別再生率は、肝臓全体で均一ではなく、3ケ月におけるそれぞれの領域再生率は、術後2週間での各灌流門脈枝の血流量変化率によく相関していた。以上の結果から、ヒトにおいて、残肝での各門脈枝血流量の変化が、灌流領域の肝再生を制御している可能性が示唆された。 一方、肝臓における機械的ストレス受容体の検討をマウス、ラット、ヒトの肝組織で行ったところ、これまでに2種類の受容体が、肝類洞壁細胞である非実質細胞に存在する可能性が示唆され、平成20年度において、その存在の確定と詳細な機能解析を進める予定である。 また、肝臓における機械的ストレス受容体の発現は、肝硬変症例では減少している傾向が見られ、硬変肝における再生不良との関連について今後検討を行う。
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