研究課題
発癌の一因に遺伝子のメチル化による不活化があり、肺癌でも複数の遺伝子でメチル化の報告がなされている。従来は遺伝子のメチル化を調べる方法として、MSP(methylation specific PCR)が用いられてきたが、我々の研究室ではより感度特異度に優れたQAMA(quantitative analysis of methylated alleles)を利用して、肺癌切除検体における複数遺伝子のメチル化プロフィールの報告を行った(Sano A et al., Oncogene 26(45):6518-25,2007)。従来肺癌でメチル化の報告がなかった遺伝子を新たに検索するため、Bioin for matics的手法を用いて、肺癌で発現の低下している遺伝子を抽出し、COBRA(combined bisulfite restriction analysis)とQAMAを用いて、肺癌でメチル化の存在する遺伝子を新たに8つ同定した。これらの新たに同定した遺伝子も含め19の遺伝子で、肺癌切除検体(98症例、101検体)におけるメチル化プロフィールをQAMAを用いて作成した。平均追跡期間がまだ2年強のため、メチル化プロフィールと予後の関連に関しては今後の追跡を待たねばならないが、組織型との関連において、GOS2遺伝子のメチル化が非扁平上皮癌と比較して扁平上皮癌において有意に多かった。この知見は、肺癌診療において、従来の病理組織学的な診断法とは違った観点からの扁平上皮癌の同定において有効であると考えられる。また従来報告があったp16遺伝子のメチル化とEGFR遺伝子変異の排他性も我々のデータから確認された。
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