研究課題
胸腔鏡手術における触覚を再現するため、空気噴流を用いて肺表面上の硬さを感知できる非接触剛性イメージャーの開発と肺腫瘍同定法の確立、およびその臨床応用を目的とし、以下の実験を行った。【非接触剛性イメージャーの臨床応用向けての改良】非接触剛性イメージャーの臨床応用に際し、人体に使用できる材質、形状に改善し、ディスポーザブル製品として一般に普及できるように改良した。空気ノズル及び光ファイバーセンサーは感染、滅菌の観点からディスポーザブルとし、空気コンプレッサーなどはすべて軽量化し、容易に持ち運べるサイズとなった。【非接触剛性イメージャーの生体肺への応用】非接触剛性イメージャーの生体肺への応用に向けて、広島大学倫理委員会にその人体への実用を申請し、認証を得た。その後あらかじめ同意の得られた肺腫瘍切除予定症例に対し、実際の術中に非接触触覚センサーによる走査を行った。更に同定した腫瘍の病理組織学的検討を行い、腫瘍の大きさ、臓側胸膜よりの深さ、CT値、組織型と走査結果を比較した。空気噴流により、組織学的にも肺胸膜、肺実質の損傷は認めず、その安全性が確認された。深さ/腫瘍径の比において、3.0以下の症例では、術中の腫瘍検出が可能であった。臨床的に術中検出が特に困難である、肺のすりガラス陰影については、胸膜表面のものについて検出可能であった。現在その症例数を積み上げて、非接触触覚イメージャーによる肺腫瘤の同定感度、特異度を明らかにしてきている。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
日本内視鏡外科学会雑誌 13
ページ: 735-741
Proc. of the 2nd IEEE/RAS-EMBS Int. Conf. on Biomedical Robotics and Biomechatronics
ページ: 830-835