研究課題/領域番号 |
19591638
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
下村 雅律 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (90433268)
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研究分担者 |
島田 順一 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (60315942)
丸山 光生 国立長寿医療センター, 研究所・老化機構研究部, 部長 (00212225)
若生 武 国立長寿医療センター, 研究所・老化機構研究部, 研究員 (10435878)
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キーワード | Tarsh遺伝子 / 微小肺癌 / 定量RT-PCR / mRNA発現 / 細胞老化 |
研究概要 |
TARSH(Target of NESH-Sh3)/Abi3bpはE3B1/ArgBP/Avi2/NESH familyのNESHとSH3ドメインを介して結合する分子として見いだされた遺伝子であるが、その生物学的機能はまだ明らかでない。我々はTARSH遺伝子発現についてマウス胎児由来繊維芽細胞の細胞老化に伴ってmRNA量が増大する事、マウスヒト共通に肺で高発現している事、ヒト肺癌臨床検体の解析から非腫瘍部位に対して腫瘍部位においては有意に発現量が低下している事を報告している。今年度はヒト肺癌臨床検体のうち、微小肺癌に重点を置いて定量RT-PCR法にてTARSHmRNA量を解析した。その結果、病理病期がI期であった原発性肺癌の61症例のすべてについて、肺腫瘍部位におけるmRNA量が同一症例の非腫瘍部位よりも有意に低下している事が明らかとなった。この傾向は細気管支肺胞上皮癌といった分化度が高い初期肺癌にも全例にみられた。このことはTARSHが肺癌の初期発生段階に関連していることが示唆された。またTARSH分子の機能を解析するために、TARSHペプチドおよびリコンビナントタンパクを用いて、新規に抗TARSHモノクローナル抗体を作製した。さらにTARSHの3'UTRを標的としたsiRNAにより、S期細胞の減少や二核化・セントロソーム数の異常が認められた。現在、マイクロアレイを用いて、TARSHと同期して変化する遺伝子を検索中である。
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