研究課題/領域番号 |
19591641
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山岸 正明 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (40182422)
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研究分担者 |
宮崎 隆子 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90405291)
前田 吉宣 京都府立医科大学, 附属病院, 専攻医 (20438203)
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キーワード | 右室流出路再建 / polytetrafluoroethylene |
研究概要 |
肺動脈および右室流出路再建の代用素材として、材料強度の問題、耐用性の検討を行った。姑息的右室流出路形成術では心膜をロール状に形成し、肺動脈indexが正常よりも大きめである250〜300mm^2/m^2BSAを目標とした。左右肺動脈をY字状に形成することを主眼においた。右室流出路はexpanded polytetrafluoroethylene人工血管(expanded polytetrafluoroethylene弁付)によるハイブリッド再建を行った。この検討では、肺血流は良好に保たれることが判明した。しかし人工血管により調節されることにより心膜ロールが拡大(瘤化)する例が認められた。また心膜壁の肥厚も認められたが、狭窄を生じる例はなかった。また血栓塞栓症を生じた例も認めなかった。右室流出路に使用したexpanded polytetrafluoroethylene弁は良好な機能を示した。 ハイブリッド型人工血管の作成の基礎モデルとしてのexpanded polytetrafluoroethyleneの肺動脈壁、静脈壁としての有効性についてであるが、血流量が充分でない場合や、周囲組織からの圧迫を受けた部位では遠隔に内膜増殖、内腔への突出による血管径狭窄が生じることが判明した。以上の結果よりexpanded polytetrafluoroethylene血管内壁として使用した場合には軽度の擬性内膜の増殖、血管内腔の狭小化を認めるものの、大部分では良好な結果を得たことから、血管形成素材として有用であることが示唆された。心膜、expanded polytetrafluoroethyleneの結果から、肺動脈に使用するためこは羊膜自体の強度的問題がまだ解決できないことが考えられた。また羊膜をロール状にして使用するには問題も残された。
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