研究概要 |
昨年度までは、Virtual Bronchoscopy(VB)の作成に関して、さまざまな検討を行ってきた。特に使用するCTおよびVB作成アプリケーションによる画像の差異に関して,2種のCT,3種のアプリケーションを用いて作成したVB画像を比較検討し、日本呼吸器内視鏡学会総会で発表するとともに,論文化し公表した。さらに、VBを用いて多発癌を診断する方法などを検討し、それも全国規模の学術集会で発表したのち、英文で論文化した。 【症例】81歳男性。検診の胸部X線写真にて、左肺上葉の直径43mmの腫瘤陰影を発見された。胸部CTでは、他に左S10に小腫瘤を認めた。気管支鏡施行前に、DICOM条件でスライス幅0.75mmの胸部CT画像をCD-Rにダウンロードし、パソコンでVirtual navigationを作成した。 【成績】Virtual navigationをガイドとして気管支鏡検査を施行した。左上区はナビの通りとなっており、腫瘍はB3bに存在していた。ナビに従い、左B10aの一本目の枝をスキップし、内側に入る細い娘支を超えてB10aの2本目に入り、そこでBF260は終了した。XBF260Fに切り替えてその末梢にはいりTBLB施行したが透視では腫瘤は見えなかった。その後BF260に変更し同部の擦過細胞診を施行した。病理細胞診学的に両方の病変が扁平上皮癌と診断された。 現在,VB作成の一部自動化を試みており,これも今回の申請課題の一部として行なう予定である。その他,採取方法の更なる検討,検体処理法に関しても検討を加える予定である。
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