eNOS分泌型人工血管の作製にあたり、eNOS遺伝子導入骨髄細胞の生体に対する治療効果を確認した。モデルとしてモノクロタリン誘発肺高血圧症ラットを作製し、eNOS遺伝子導入骨髄細胞を経静脈的に移植し、右室収縮期圧上昇と右室肥大、生存期間の短縮に対し改善を認めた。次にモノクロタリンを用いて、イヌ肺高血圧症モデルを作製し、心エコー、右心カテーテルを用いた評価を行った。ウサギ腹部大動脈に人工血管を置換することを試みたが口径差があるために難渋したことより、イヌ肺高血圧症モデルの肺動脈位に人工血管を置換することが今後の課題である。人工血管の生体適合性や開存正を評価するために実験動物への移植実験が必須であると考えている。以上重症肺高血圧症に対する治療とした基礎研究は重要である。
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