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2008 年度 実績報告書

腫瘍幹細胞を治療標的とした低酸素誘導因子制御による治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19591658
研究機関秋田大学

研究代表者

笹嶋 寿郎  秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40235289)

キーワード悪性脳腫瘍 / 低酸素誘導因子 / 腫瘍幹細胞 / 増殖能
研究概要

ラット可移植性腫瘍株(グリオーマ:C6, RG2,乳癌:W256)をマルチガスインキュベーターを用いて低酸素条件下に単層培養し,各培養細胞について三重標識組織放射能測定を(^<14>C-Azomycin, ^3H-TdR, ^<99m>Tc-DTPA)を行い,腫瘍増殖能と低酸素状態との関連を解析した.腫瘍増殖能はいずれの細胞株も低酸素状態で24時間目には常酸素細胞の30%以下に低下し,5% O_2で6日間(慢性期)培養されたRG2とW256の増殖能は低下したが,C6は常酸素細胞と同程度まで回復した.慢性期における低酸素負荷(2% O_2)ではすべての腫瘍株で増殖能が有意に低下した.一方,^<14>C-Azomycinの細胞集積量は常酸素細胞群,5% O_2負荷群,2% O_2負荷群の比較では,いずれの腫瘍株においても,2% O_2負荷群が最も高集積を示し,常酸素細胞群が最も低く,^<14>C-Azomycinは低酸素状態を反映するトレーサとして有用と考えられた.次いで,ヒト膠芽腫細胞株(U87)を表皮増殖因子と塩基性線維芽細胞増殖因子を含む無血清培地で培養し,凝集塊を形成する浮遊細胞群を誘導し,抗CD133モノクロナール抗体を用いてフローサイトメトリーでCD133陽性細胞を選別し,CD133陽性細胞の割合と低酸素負荷との関連を検討した.常酸素細胞群ではCD133陽性細胞の割合は0.7~4.0%であったが,低酸素負荷(5% O_2)群では8.0~44.5%まで増加し,低酸素負荷による腫瘍幹細胞の増加が確認された.低酸素負荷によるCD133陽性細胞の増加は低酸素誘導因子抑制薬であるフラボピリドールにより抑制されなかった.

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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