研究課題/領域番号 |
19591660
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
平戸 政史 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00173245)
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研究分担者 |
渡辺 克成 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10312886)
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キーワード | 機能再建外科 / 腦血管障害 / 随意運動神経回路網 / 回復機序 / 機能画像 / 磁気刺激 / 脳深部電気刺激術 / 大脳皮質運動野電気刺激術 |
研究概要 |
片麻痺回復の脳内機序については、一昨年報告の12例、昨年報告の7例に加え、最近1年間に当科を受診し、入院、加療をうけた皮質下梗塞1例(視床1例)、出血8例(視床3例、被殻5例)の計9例において引き続き検討している。一方、今回の研究テーマの一つである上行性運動感覚信号については、その中継点である視床腹中間核(VIM核)でのその処理様式について検討した。パーキンソン病7例を対象とした。定位的視床手術中、視床VIM核において対側手首、及び拇指の末梢自然刺激に対する運動感覚反応が得られた際に、手首部の正中神経電気刺激(1Hz)を行い、視床VIM核において体性感覚誘発反応(SEP)を記録した。SEPはsingle、又はmultiple unit反応、及びlocal field potential(LFPs)を記録した。正中神経電気刺激に対する視床VIM核でのsingle、又はmultiple unit反応の潜時は17.5±2.9msec(n=6)であり、又、正中神経刺激誘発のLEPsは、周波数解析により刺激後およそ10-30msecで50-200Hzのoscillationが増強することが明らかとなった。このOscillationが増強した際には大きく2つのpattern(興奮-抑制、抑制-興奮)が認められた。正中神経刺激により視床VIM核で記録されたunit反応の潜時は、これまで報告された視床腹尾側核(VC核、主知覚核)におけるunit反応の潜時とほぼ同様であり、視床VIM核を通過する上行性運動感覚信号は脊髄視床路を経由し上行している可能性が高いと考えられた。又、病的状態においては視床介在ニューロン、視床網様核ニューロン(抑制性)の関与により、視床においてリズム形成を生ずる。このため、随意運動を行う際に上行性運動感覚信号は視床のレベルで大きく影響をうける可能性が示唆された。
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