研究課題/領域番号 |
19591664
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高井 敬介 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (70376424)
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研究分担者 |
川原 信隆 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60214673)
大河内 仁志 国立国際医療センター, 細胞組織再生医学研究所, 部長 (30185235)
桐野 高明 国立国際医療センター, 研究所, 所長 (90126045)
齊藤 延人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60262002)
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キーワード | 移植・再生医学 / 再生医学 |
研究概要 |
皮膚由来の幹様細胞の培養実験と分化誘導実験を次の様に行った。GFP-transgenicマウスの耳介より採取した組織をHanks balanced buffereds salineで洗浄。組織分散のためにAccumaxを加えて37℃でインキュベートし、組織片を培養液Dulbecco's modified edgle medium(DMEM/F12)中で機械的に分離。分離採取した細胞を急冷し遠心分離後、分離採取した細胞を、培養プレート中の培養液DMEM/F12に浮遊させた。DMEM/F12に、1.5%B27supplement、1.5%methylcelluloseを加え、さらに、bFGF10ng/ml、EGF20ng/mlを週に3回加えると、皮膚由来幹様細胞を培養しえた。浮遊培養細胞を集め、Accumaxで細胞分離処理を行い、継代培養にも成功した。さらに分化誘導を行い、免疫組織学的に神経系細胞に分化する条件を特定した。次に、損傷末梢神経に対する皮膚由来幹様細胞の移植実験を行った。上述の皮膚由来の多能性幹様細胞を損傷した末梢神経に移植した。移植手術後4・8週間後には、細胞は局所で生存し、特異な形態学的変化を認めた。これらの皮膚由来の幹様細胞は、組織採取の容易さと、自家移植が可能なため免疫抑制剤が不要という、大きな利点を持つ。皮膚は体表全体に存在しているため、移植治療のソースとして、他の組織と比較し組織採取が極めて容易であり、移植治療の倫理的・臨床的問題を解決できる突破口となりうる。
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