研究課題
1)中性子捕捉療法へのFBPA-PETの応用を継続し、またこの年度からは術前計測の組織内ホウ素濃度推定と、治療後の腫瘍退縮ないしは放射線障害の発生に関しPETによる追跡調査を計画した。しかし、原子力研究所の治療用原子炉の故障という予想外のアクシデントにより、治療症例蓄積がストップした。そのため、研究期間を延長したが、復旧が年度末となり、治療症例のフォローは行えなかった。そこで、計測対象をFBPA-PETの計測対象を、中性子捕捉療法とは無関係にボランティアー患者としての計測を行い、FBPAとメチオニンPETとの対比、FBPAの全身分布と全身被ばく線量の計測などのデーター収集を行い完了した。今後の臨床利用のための十分なデーター蓄積が完了した。2)BNCTの停止に伴い、PET画像をターゲットとしての悪性脳腫瘍のガンマナイフ治療法を積極的に行い治療後のデーターを行った。悪性神経膠腫に対するPETガイドのガンマナイフ治療によって生命予後が改善することを示唆するデーターが得られ国際学会で発表した。3)脳腫瘍に対する新しいPET診断薬候補として、DNA合成能計測薬である11Cチオチミジンの臨床利用に向けての開発をスタートし、被験者による臨床計測を開始した。薬剤の腫瘍への到達には血液脳関門の破壊がないと効率が悪いこと、しかし造影を受ける腫瘍部位の中での腫瘍増殖能の局所差の描出には有用性が高いことなどが判明した。
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ページ: March 5, 2010 online
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