研究課題
基盤研究(C)
悪性脳腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の適切な運用を目指した治療時の腫瘍内ホウ素濃度の健常組織比をPETにより定量するための実用的手法の開発を行った。研究期間内に25名の悪性脳、頭蓋底腫瘍患者に対し^<18>F-BPAによるPETイメージングを行った。悪性神経膠腫患者15名に対しては診断薬静注後の腫瘍および正常脳組織内のトレーサー濃度を1時間の経時計測を行い組織内放射活性曲線(Time activity curve;TAC)を得た。さらに、経時的動脈採血による動脈血のTACを得た上で、モデル解析によりBNCT施行時の中性照射時点における組織ホウ素濃度平均の腫瘍対健常脳比(T/N)を算出した。この比は、動脈採血を行わずとも定常状態において得られるT/Nと有意な相関を示すことが確認できた。次に、全例で11Cメチオニン(MET)によるPET撮影も同日に行うことで、METとBPAのT/Nの比較も行った。両者間にも有意な相関が存在することが確認された。また、FBPAのT/Nは常にMETのT/Nよりも高値であることも明らかになった。この研究により、BNCT施行時のホウ素濃度のT/Nは^<18>F-BPA PETの定常スキャンにより推定できるとともに、MET PETによってもその最低ラインを決定できることが明らかになった。すなわち、アミノ酸輸送体機能を計測できるPETプローブであれば、BNCTにより効果が期待できる悪性腫瘍患者のスクリーニングに用いることが出来、至適治療計画の策定に有効利用が出来ることが明らかになった。
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