• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

脳内伝導路の自然再生の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 19591668
研究機関信州大学

研究代表者

森泉 哲次  信州大学, 医学部, 教授 (70157874)

研究分担者 福島 菜奈恵  信州大学, 医学部, 助教 (90334888)
キーワード自然再生 / 脳内伝導路 / 外側嗅索 / 嗅覚
研究概要

新生児ラットの左側の外側嗅索を切断し、切断直後に神経トレーサー(FB)を切断後方部の嗅皮質に微量注入した。一定期間経過後に、成長したラットに対して、別の神経トレーサー(FG)を前回の注入部位に相当すると思われる切断後方部の嗅皮質に注入し、脳を固定・採取した。嗅球・外側嗅索切断部・神経トレーサー注入部位について、凍結切片を作成し蛍光顕微鏡で観察した。外側嗅索が未形成で、FB(+)嗅球投射ニューロンが全く無い完全切断が確認されたケースで、成長後に注入した神経トレーサー(FG)を注入部位から切断部を越えて、細胞体のある嗅球に軸索輸送されることが確認できた。FG(+)嗅球投射ニューロンが多数認められ、これらは切断部を越えて再生神経線維を伸長させたニューロン群であると結論された。同様に、新生児ラットの外側嗅索切断と神経トレーサー(FB)の嗅皮質への微量注入を行い、一定期間成長させたラットに対して、順行性の神経トレーサー(BDA10000)を嗅球全体に注入し、脳を固定・採取した。嗅球・外側嗅索切断部・神経トレーサー注入部位について、凍結切片を作成しBDA反応した後に顕微鏡で観察した。外側嗅索が未形成で、FB(+)嗅球投射ニューロンが全く無い完全切断が確認されたケースで、成長後に注入した神経トレーサー(BDA10000)が注入部位の嗅球から、切断部を越えて、後方部の嗅皮質に軸索輸送されることが確認できた。すなわち、切断部を越えて伸長する再生神経線維の存在が、逆行性と順行性の両者のトレーサーで確かめられた。新生児期に傷害された嗅覚伝導路(外側嗅索)は、その後比較的早い時期に自然再生されるという重要な事実を明らかにすることができた。脳内伝導路の再生は、脳科学にとって重要な課題である。成熟ラットの脳内伝導路の再生に向けて、重要な基礎的データを提供できたものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Determination of funotionally essential neuronal population of the olfactory epithelium - - - - - in newborn rats.2009

    • 著者名/発表者名
      Kawagishi K., 他5名
    • 雑誌名

      Brain Res (印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 新生児ラツトにおける外側嗅索切断後の嗅球投射ニューロンの細胞死の検討2008

    • 著者名/発表者名
      坂本道雄, 他4名
    • 学会等名
      日本味と匂学会第42回大会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-09-18

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi