研究課題
アカゲザル視床に自己血注入する前段階の研究を行った。(1) 視床痛の患者における運動線維と感覚線維をMRIのDiffusion tensor imageで描出し、どこで線維連絡が途切れるのかを評価した。比較的、運動機能、感覚機能の保たれた患者を選んだこともあり、71%の患者で神経線維が描出された。ヒトでは視床に限らず被核出血でも主に下肢痛になる患者がいることが知られており、これらの患者では視床に出血が及んでいないが、線維の一部が途切れていて、疼痛の原因となるようである。本研究では、ヒトの視床出血例のみの実験を行うこととして、視床の出血病巣の部位と大きさの評価を行った。出血のサイズとしては小型のものが多く、大型の出血では視床痛にならない。部位としては中心が腹外側核のもの、内包を中心として、腹外側核に及ぶタイプが多く。内側核に中心を持つようなタイプは非常に少ない。(2) アカゲザルの脳マップと上記所見を比較して、注入部位と注入量を検討しているが、注入部位としては視床腹外側核を想定している。注入量としては、少量注入を繰り返していくしかないと思われる。しかし、その少量とはいえ、どれだけを注入するかは難しい問題であるため、下記の予備実験を施行した。(3) 予備実験として、ラットを用いて、視床出血モデル実験作成を行った。コラゲナーゼ(200-50U/ml)を1.0-3.0μl、定位的に注入を行い、数日後に還流固定による処分を行い、脳の連続切片を作成して、出血病巣のサイズ、広がりを検討した。しかし、現在のところ、モデルとして、適当な注入コラゲナーゼの濃度、注入量を正確に決定できなかった。
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