研究課題/領域番号 |
19591679
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
濱 聖司 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 研究員 (40397980)
|
研究分担者 |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
富永 篤 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (60274049)
栗栖 薫 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
|
キーワード | 中性子補足療法 / ホウ酸化合物 / ICP-MAS / 染色体不安定性 / 加速器 / p27 / 成長ホルモン / GHレセプター |
研究概要 |
蛍光を発するホウ素化合物をアデノウイルスベクターに結合させて感染させると、感染細胞が発色することを確認した。そこで、アデノウイルスベクターとホウ素化合物との反応条件を調整し、細胞内ホウ素濃度測定を計画した。ホウ素化合物結合アデノウイルスベクターを作製し、超遠心によって精製するとともに、化合物が結合することによる感染効率の変化など、詳細を検討してきた。更に、ステラファーマ(株)との共同研究によって細胞内ホウ素濃度の測定を進めている。至適なホウ素化合物結合条件と感染条件が判明した時点で、細胞内ホウ素濃度を測定し、成果を報告する予定である。 同時に臨床検体を用いて、放射線照射を行っている悪性グリオーマ患者の生命予後に関わる検討も進め、p27因子の細胞内局在が予後に深く関わっていることを突き止め、論文に発表した。 また、放射線照射後に起こる様々な障害の中で、下垂体ホルモン分泌異常が指摘されている。この中で、成長ホルモン(GH)分泌不全が様々な合併症を引き起こすことが知られ、GH補充療法がおこなわれている。しかし、頭蓋外悪性腫瘍ではGHレセプターの発現が悪性化の引き金になることが知られているので、GHを投与することが再発の危険を上げることが危惧される。そこで、各種頭蓋内腫瘍のGHレセプター発現を調べたところ、腫瘍が悪性化するにつれて、GHレセプターの発現が弱くなることが分かった。頭蓋内では、GHレセプターを介したGHの腫瘍悪性化はメインとなりえないことが示唆された。本研究成果は、現在、論文投稿中である。
|