本研究の目的は、異常なフィードバックがかかった幼弱な大脳皮質がどのような軸索・樹状突起形成、髄鞘形成をするのか、それは早期の薬物治療やリハビリテーションによって修正が可能か否か、を解明することである。21年度は脳性麻痺ラットの作成と痙縮の測定、バクロフェンの持続髄注療法とその効果判定を行った。 方法.方法は研究実施計画書の通りである。脳性麻痺ラットとしてHypoxia-ischemia modelを作成した。呼吸、哺乳能力の回復を確認した後、通常環境下に生育させた。生後4週目と6週目に脊髄カテーテルとそれに連結した浸透圧ポンプを埋め込んだ。ラットの運動能力、筋電図、高次機能を測定し、正常群、脳性麻痺非治療群、早期治療群、晩期治療群で比較を行った。 結果.脳性麻痺非治療群には痙縮が認められ、筋電図異常が現れた。運動能力の低下が認められた。バクロフェンで早期に治療を行った郡では筋電図異常は認められたが痙縮は弱く、運動能力は徐々に改善した。晩期治療群では運動能力の獲得が悪かった。高次機能はバクロフェンによる改善は認められなかった。高次機能と脳の組織学的検討は現在進行中である。
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