研究課題
基盤研究(C)
頚動脈脈内膜剥離術の至適な施行時期を解析するため、発症後一週以内の急性期とそれ以後の慢性期に手術により摘出したプラークを免疫組織学的に安定性/不安定性プラークに分類した。さらにプラーク中の酸化LDLおよびマトリックスメタロプロテナーゼ-9(MMP-9)の含有量や活性を測定し、免疫組織学的にこれらの局在を調べた。頚動脈狭窄症例の発症早期に酸化LDL含量やMMP一9の活性が、慢性期に摘出したプラークに較べて上昇していることを明らかにした。さらに酸化LDLのマクロファージへの取り込みに関与するプロテオグリカンであるDecolinやBiglicanの発現量およびその局在を評値し、これらのプロテオグリカンが不安定なプラークに多く発現していることを認めている。またこれらの発現は酸化LDLの増加と相関していた。従来、頚動脈脈内膜剥離術は症状の安定を待って1ヶ月以後に手術が施行されていた。しかし頚動脈狭窄症例では発症早期により強い酸化ストレスや炎症性変化があることを示した本研究結果から、発症早期に手術を行うことが妥当であることを示唆した。この研究から得た知見についてはJournal of Vascular Surgeryに投稿し、受理された
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