研究概要 |
当初の計画では骨髄由来幹細胞(MSC)が脳腫瘍に特異的に集積する現象が種特異的に起こるものではないことを証明するための動物モデルとして、C6グリオーマ細胞をラットに移植した脳腫瘍モデルを用いる予定であった。しかし、これまでの予備実験で腫瘍細胞のPDGFの発現量が多いほど脳腫瘍に特異的に集積することが明らかになったため、実験計画を変更してPDGFを高発現する脳腫瘍モデルを用いることにした。この脳腫瘍モデルとして用いたのは2006年に報告されたラットの系で、大脳白質に存在するグリア前駆細胞にPDGFを高発現するレトロウイルスベクターを感染させることで作成されたラット脳腫瘍モデルである(Assanah Metal, JNeurosci,2006)。このモデルでは短期間でPDGFを高発現するグリオーマが高率に発生するために本研究には非常に有用であり、現在実際のこの脳腫瘍モデル作成に成功している。またラット骨髄由来幹細胞にっいてはTulane Center for Gene Therapyから譲与されたLewis Rat Marrow Stromal Cellを用いる予定であり、これまでに継代培養を行って骨髄幹細胞としての分化能を確認した。
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