研究課題/領域番号 |
19591715
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
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研究分担者 |
國吉 一樹 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (40375788)
山崎 正志 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50281712)
大河 昭彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (30312945)
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キーワード | 脊髄損傷 / cAMP / BMSC / BBB score / シロスタゾール / phosphodiesterase III / CREB / 大脳皮質 |
研究概要 |
cAMPを脳細胞において上昇させる予定を、経口投与に変更し、cAMPを分解するphosphodiesteraseIII阻害薬であるシロスタゾールを脊髄損傷後1週間経口投与、以後シロスタゾール入りの餌を混ぜて8週間与えた。対象は通常餌を与えたものとした。8週間のBBB scoreにおいて有意差は得られなかったが、シロスタゾール投与で改善がみられた。また残尿スコアを比較したところ、シロスタゾール投与で残尿の減少がみられた。更に術後の体重変化もシロスタゾール投与で大きかった。 上記結果を踏まえ、シロスタゾールを術前から予防的に投与し、脊損後の行動回復に差があるかどうか検討した。また残尿量、体重など客観的評価基準で評価した。結果は予防的投与によりBBB scoreが有意に悪化した。残尿量、体重に有意な変化はなかった。組織学的検討において空洞面積の比較を行ったが有意差が得られなかった。 最後に脊髄損傷慢性期にシロスタゾール混入餌を与えて、コントロール群と比較した。シロスタゾールの予防的投与によってBBB scoreに有意な差が得られたのが、脊髄内の有意な出血時間の差ではないかと考え、今回の実験で出血時間を計測した。BBB score、出血時間に有意差は得られなかった。 シロスタゾールの脊髄損傷に対する効果を判定するため、投与方法についてあらゆる可能性を考え投与時期を工夫したにも関わらず、行動学的回復に有意差が得られなかった。
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