平成21年度は、変形性膝関節症以下膝0A患者の同意を得て試験を開始した。全員に日常生活上の注意点を指導した(患者教育)。患者を無作為に1)大腿四頭筋訓練を含むホームエクサ0サイズ群(CON群)、2)電気刺激及びホームエクサーサイズを行った群(EMS群)に分け、介入試験を開始した。 評価はトレーニング実施前、4週間のトレーニング後、3ヵ月後、6ヵ月後に実施し、大腿部と下腿部の筋厚・膝伸展屈曲筋力・10m歩行速度・JKOM score・visual analog scale(以下VAS)を用いた疼痛の経過を評価した。 〈結果〉 膝伸展筋力は4週間のトレーニング後に両群とも有意に増加した。CON群、EMS群それぞれトレーニング前と比較して平均6.0%、32.0%増加し、増加率に関して、両群間で有意な差を認めた。筋厚における4週間のトレーニング後の変化は、CON群、FES群の平均変化率がそれぞれ、大腿直筋で+2.7%、+27.9%、中間広筋で-0.6%、+6.7%、外側広筋で+4.5%、+25.9%、下腿筋で+4.1%、+9.5%であった。JKOM scoreの平均値は、4週間のトレーニングによってCON群で58.6から53.3に、FES群で632から46.0へそれぞれ改善した。平均変化率はCON群2.6%、FES群27.9%であった。膝関節の疼痛(VAS)は、4週間のトレーニングによってCON群では、4.1cmから4.1cmと変化がなかったが、FES群では、5.8cmから3.3cmへ改善した。 <まとめ> 以上の成果より、機能的電気刺激法は従来のホームエクササイズによる筋力トレーニングに追加することで、さらに有効であることが示された。即ち、筋力の更なる増強とそれを裏付ける、筋厚の増加、そして、疼痛の改善と患者立脚型の評価法での改善である。これらの結果から、機能的電気刺激法は膝OAに対して広く臨床応用されて良い方法と結論付けられる。
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