研究課題
我々はこれまでfMRIを用いて表在感覚刺激に呼応した脳活動の局在を検出することにより、痛みやしびれなどの病的感覚状態の客観的評価を試みてきた。この脳のfMRIは我々を含む多くの研究者の関心事であったことから解析方法が急速に発展してきた。一方、脊髄の機能イメージングについては未だ方法が確立されていない。しかし、脊椎・脊髄疾患を取り扱う整形外科医にとっては末梢から脳に至る信号の伝導路である脊髄自体の機能的変化を捉えることが病態の把握や治療予後予測に重要であると考えられる。そこでこれまで脳のfMRI研究で培った我々の技術や経験と、新たに我々の施設で利用できるようになった3 teslaの高磁場MR装置を用いれば脊髄においてもfMRIを用いた脊髄機能評価を可能にすることができると考え、健常者を用いて先ずは傾斜磁場を用いたEPI法を用いて解剖学的撮像を試みた。その結果、頚椎周囲に粘土を用いて作成されたカラーを用いて撮像したところ、変形はあるものの脊髄蔵を描出することに成功した。また、解析プログラムを脳におけるfMRIの解析方法として現在広く行われているStatistical Parametric Mapping法を用いて解析したところ、Voxel by voxel analysisにおいて、運動刺激に呼応して反応する部位を検出することが出来た。
すべて 2007
すべて 学会発表 (1件)