研究概要 |
本年度は、新鮮凍結屍体9体を用いて、環椎外側塊スクリューを直接刺入法と後弓刺入法に群分けして、それぞれの引き抜き強度を比較検討した。引き抜き強度は後弓刺入法は平均1048.5N(712.ON-1023.1N)であり、一方、直接刺入法は平均448.ON(74.7N-440.8N)であり、我々が予想した通り,後弓刺入法が統計学的に有為に引き抜き強度に優れており、後弓刺入法の有用性を裏付ける重要な基礎的データが得られた。 加えて、環椎外側塊スクリューbi-cortical刺入で近年問題となっている、内頚動脈損傷を回避するための、臨床解剖に関する基礎的検討を行い,環椎外側塊スクリュー前面に、内頚動脈は約20パーセント程度存在していることが明らかとなり、約15度内振り角度をもって正確に刺入を行うと、bi-cortical刺入を行っても内頚動脈損傷は回避できるという知見が得られたが,同時に解析したデータからは、スクリュー刺入時の意図した刺入角度との刺入誤差も約10度程度存在していることから,きわめて慎重な刺入が必要であるという、外側塊スクリュー刺入における重要な知見が得られた。 有限要素解析法の正常頚椎に関するデータは鋭意解析中である。 また、3次元実体モデルの術前計画における有用性を検討した。 これらの研究成果は、Cervical Spine Research Society(2007.12.San Francisco)において発表し,現在投稿中である。
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