本年度は昨年度に引き続きラットの骨髄間葉系幹細胞を培養、人工骨(β-TCP:気孔率75%)に播種した後に、骨誘導をかけた培養人工骨、および細胞なしの人工骨の骨膜下移植をおこなってきた。骨膜下移植後4ヶ月では人工骨のみの骨膜下移植に比べ骨誘導を加えた培養人工骨移植例では骨膜下は皮質骨様に変化していた範囲は大きかった。しかし骨誘導を加えた培養人工骨を用いたものでも中心部ではscaffoldであるβ-TCPは残存していた。レントゲンおよびCTにて前記の所見のほか培養人工骨と接した皮質骨は1/2程度まで非薄化していた。本年度はさらに12ヶ月、15ヶ月間と長期間骨膜下へ移植し評価を行った。レントゲンおよびCTにて培養人工骨群では12ヶ月良好に骨の成熟が進行し骨硬化が進んでいるものと考えられた。人工骨のみで移植したものではやや遷延する傾向であった。現在組織学的所見について検討している。横径については両群で増大はしているが細胞使用群の吸収が少ない傾向であった。6〜12ヶ月の時点で骨延長が可能であると思われたことからさらなる検討を行う必要がある。 培養人工骨を骨膜下に移植することで血管柄付き移植骨の横形増大をはかることができる可能性があると考えられた。
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