我々は、8年間の追跡調査から、ヒト骨転移特異的血中タンパク質を発見した。現在の医療では転移性骨腫瘍(骨転移)は、がんの進行期あるいは終末期に近い状態であることを意味している。しかし、骨転移の早期診断、初期の重粒子線治療が可能となれば、がんの骨転移は、非侵襲性治療が可能となり、克服することができる。我々が発見した骨転移特異的タンパク質は、骨シンチグラフィーより早期に血液中に存在し、治療開始と同時に低値を示す。このタンパク質の特徴は、健常者にはなく、律速段階にあるタンパク質の不安定性が高いことから、安定した遺伝子を確定することを目的としている。骨転移特異的タンパク質の翻訳が開始されるがん遺伝子を確定することで、がんの転移の治療につながる次世代の展開への研究になる。
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