研究課題/領域番号 |
19591744
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研究機関 | 愛知県がんセンター研究 |
研究代表者 |
杉浦 英志 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 研究員 (50303615)
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研究分担者 |
田口 修 愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (00142167)
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キーワード | 骨肉腫 / 転移抑制 / LM8 / PC61 / 抗IL-2モノクローナル抗体 / 抗体療法 / CD25 / Treg |
研究概要 |
今回の研究では肺転移を好発するマウス骨肉腫LM8を用いて、抗体療法として抗IL-2レセプターα(CD25)モノクローナル抗体(PC61)や抗IL-2モノクローナル抗体(S4B6)を投与した場合における抗腫瘍効果について検討した。C3HマウスにLM8を皮下移植する2日前にPC61を投与して、4週後に腫瘍増大と転移が抑制されるかを調べた。コントロールとしてLM8移植7日後にPC61を投与したマウス、PBS投与したマウスと比較した。LM8を皮下移植する2日前にPC61を投与した群とLM8移植7日後にPC61を投与した群では腫瘍重量に差はなかったが、PBS投与したコントロール群と比較して明らかに小さかった。肺転移例はLM8を皮下移植する2日前にPC61を投与した群では11例中1例、LM8移植7日後にPC61を投与したものでは10例中0例、PBS投与したコントロール群では10例中7例であり、腫瘍移植の2日前投与群、移植7日後投与群ともに有意に肺転移を抑制していた。同様に、肝転移についてもPC投与群で有意に抑制されていた。Flow cytometryではPC61投与により末梢(脾臓)のCD4+CD25+T cell数は0.24%であり、コントロールの3.68%と比べて有意に減少していた。また、抗IL-2モノクローナル抗体(S4B6)投与マウスについても同様の結果が得られた。今回の結果ではマウス骨肉腫モデルのLM8において、PC61の投与及びS4B6投与によりTregが消耗され腫瘍成長抑制、転移抑制することが示唆された。ヒト骨肉腫の肺転移などの遠隔転移抑制に応用できる可能性がある。
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