研究概要 |
1 至適な培養骨髄細胞と培養条件の決定 培養液(differentiation mediumおよびcontrol medium)を組み合わせることにより、さまざまな分化度を有する培養骨髄細胞を作製し、アルカリフォスファターゼ、I型コラーゲン、およびオステオカルシンにて骨芽細胞への分化度を評価した。これら培養骨髄細胞をコラーゲンゲルに包埋後ヌードマウスに移植して、in vivoでの骨形成能を評価した結果、in vitroでのアルカリフォスファターゼ活性がin vivoでの骨形成能を最もよく反映していた。(投稿準備中) 2 至適なPRPの血小板濃度の決定 さまざまな血小板濃度を有するPRPを作製し、培養骨髄細胞と混濁したのちトロンビンにてゲル化して、三次元培養を行った。In vitroでの骨髄細胞の増殖は血小板濃度依存性に促進されたが、骨芽細胞への分化は各グループ間に差を認めなかった。次いで、種々のPRPと培養骨髄細胞をラット脚延長モデルに移植したところ、in vivoでの骨形成はPRPの濃度依存性に促進された。つまり、細胞移植には高濃度の血小板を有するPRPが有効である。(J Bone Joint Surg, accepted) 3 仮骨延長術における骨髄細胞とPRPの細胞治療の臨床研究 脚長不等、低身長の症例に対し、骨髄細胞とPRPの細胞治療を併用した仮骨延長術を施行し、細胞治療により仮骨形成が促進し、治療期間が短縮することを確認した。また、細胞治療は下腿骨よりも軟部組織に富む大腿骨においてより効果的であることが明らかとなった。(Bone 40:522-528,2007、J Pediatr Orthop 27:629-634,2007)
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