健常者3名に対して、dGEMRIC法造影MRIをそれぞれ2回ずつ施行し、inter-observer reliabilityと2回の検査間のreproducibilityを検討した。その結果、測定誤差はそれぞれ7%と5%であり、臨床的に実用的であることが確認された。 その後、関節リウマチ患者12名に対して施行した。その結果、関節軟骨のプロテオグリカン含有量を間接的に表すと言われているT1緩和時間は、関節リウマチ患者では健常者に比べて有意に短縮していた。また、患者のT1緩和時間は患者のX線でのLarsen scoreとは相関せず、X線での変化が軽度である症例においても、関節軟骨の質的変性は始まっており、本法はその早期の変化をとらえることができるということが示唆された。 患者はTNF阻害剤やメトトレキサートの使用開始前に撮像されており、今後、薬物療法導入後1年程度で再度撮像し、関節軟骨変性防止効果について検討する予定である。
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