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2007 年度 実績報告書

遺伝子多型解析によるステロイド性大腿骨頭壊死症の予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19591761
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

井上 重洋  京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10184748)

研究分担者 藤岡 幹浩  京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50360029)
キーワード特発性大腿骨頭壊死症 / ステロイド / 遺伝子多型
研究概要

【研究の背景】特発性大腿骨頭壊死症(idiopathic osteonecrosis of the femoral head,ION)の背景因子はステロイド関連が過半数を占めている。遺伝子解析を利用してステロイド性ION発生の危険性が高い患者を同定し、効率のよい予防法を開発することを目的に研究を行っている。現在までに輸送タンパクのATP binding cassette B1(ABCB1)遺伝子および受容体の転写共役因子のcAMP-response element binding protein-binding protein(CBP)遺伝子とION発生との関連が明らかになっている。
【具体的内容】1.IONの病態の一端を担っている脂質代謝関連の遺伝子多型とステロイド性IONの発生の関連について調査した。冠動脈疾患との関連が多く報告されているApolipoproteinB(ApoB)遺伝子のC7623TでION発生との間に強い関連を認め、Talleleを含む症例でION発生の危険性が高いことが判明した(adjusted odds ratio=6.37、p=0.011)。
2.ABCB1遺伝子、CBP遺伝子および今回発見したApoB遺伝子を併せて3遺伝子の遺伝子多型の組合せとステロイド性IONの発生との関連を解析した。ABCB1がTCまたはCCで、CBPがAGの症例では、オッズ比が22.91と非常に大きくなることが明らかになった。さらにABCB1とCBPの間に交互作用が存在した。
【意義】ステロイドがIONを誘発する機序は未だ不明であり、有効な予防措置がとれないのが現状である。本研究によってApoB遺伝子がIONの発生と関連があることが明らかになり、ステロイドがIONを誘発する機序の解明の一助となると考えている。ステロイド投与前にApoB、ABCB1およびCBPの遺伝子多型を解析すれば、ステロイド性IONを発生しやすい患者を同定することが可能になる。この方法により将来開発される有効な予防措置を効率よく適応することができると考えている。予防措置を行うための基盤を築いた本研究は意義深い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ステロイド性大腿骨頭壊死症の遺伝子解析2008

    • 著者名/発表者名
      栗林正明
    • 雑誌名

      関節外科 27

      ページ: 109-113

  • [雑誌論文] 大腿骨頭壊死症の遺伝子解析2007

    • 著者名/発表者名
      藤岡幹浩
    • 雑誌名

      Clinical Calcium 17

      ページ: 894-900

  • [学会発表] Combination analysis of three polymorphisms predicts the risk for Steroid-induced osteonecrosis of the femoral head2008

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Kuribayashi
    • 学会等名
      54th Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society
    • 発表場所
      サンフランシスコ
    • 年月日
      2008-03-02
  • [学会発表] ステロイド性大腿骨頭壊死症の遺伝子多型解析による発生予測-3遺伝子による検討-2007

    • 著者名/発表者名
      栗林正明ほか
    • 学会等名
      第22回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      浜松市
    • 年月日
      2007-10-25

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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