研究課題/領域番号 |
19591770
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
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研究分担者 |
大谷 和裕 近畿大学, 医学部, 講師 (20258031)
野中 藤吾 近畿大学, 医学部, 講師 (70268407)
朝田 滋貴 近畿大学, 医学部, 講師 (00330283)
西坂 文章 近畿大学, 医学部, 講師 (80330314)
寺村 岳士 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (40460901)
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キーワード | cartilage / chondrocyte / mechanicalstress / regenerative medicine / tissue engineering / reactive oxygen species |
研究概要 |
軟骨欠損や変性軟骨に対する軟骨移植は、運動器疾患に対する代表的な再生医療である。近年種々のscaffoldの開発により、小さな軟骨欠損に対しては良好な臨床成績が期待されるようになった。しかし、臨床的に最も問題となるのは、荷重部における大きな軟骨欠損である。このような場所では移植軟骨が機械的なストレスを受け、脱分化や線維化、脱落といった再生の阻害が誘導されると考えられる。本研究の目的は、軟骨の機械的ストレスに対する応答を検討し、軟骨再生を促進させる環境を考察することである。我々はこれまでに、軟骨に圧迫ストレスを加えることにより活性酸素の明らかな増加を証明した。次に、このストレスによる活性酸素の誘導を免疫学的に観察した。活性酸素を直接組織学的に証明することは困難であるため、活性酸素とNOが反応することによって生じるパーオキシナイトライトの局在として証明した。一方、軟骨のプロテオグリカン合成能は圧迫により有意に低下し、活性酸素の中和剤により回復された。従って、機械的ストレスによる基質合成能の低下は活性酸素によって生じることが証明された。 以上の結果を踏まえ、昨年度は治療の側面より検討を行なった。ビアルロン酸は関節内注入療法として広く臨床で利用されている。我々は、その作用機序の一つに抗酸化作用を提唱している。昨年までに確立された実験系を用いてヒアルロン酸の効果を検討した結果、ストレスによって起こるプロテオグリカン合成抑制の回復や、パーオキシナイトライトの中和などの抗酸化作用の一端が証明された。 これらの検討により、機械的ストレスに対する軟骨の応答と軟骨再生を促進させる環境が明らかにされた。そこで次年度は軟骨移植に使用する細胞材料の開発に着手する。
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