研究課題
関節リウマチは免疫異常を基礎とする全身性の炎症性疾患であるが、関節リウマチにおける骨破壊の進展においては、骨吸収を直接担う唯一の細胞と考えられている破骨細胞が重要な役割を果たしている。本研究では関節リウマチによる関節破壊からくる高度な運動障害を制御するべく、破骨細胞の骨吸収機能の制御に焦点をあて、破骨細胞の骨吸収機能が活性化されたとき発現が上昇している分子を明らかにする。骨吸収促進作用を持つRANK Ligandを作用させた破骨細胞のRNAを抽出し、NF-kBの下流で作用している分子をDNAチップおよびRT-PCRにて検討したところ、破骨細胞の機能制御を司る分子の候補として、ミトコンドリア内で活性酸素・スーパーオキサイドを処理するMnSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やsmall GTPaseであるRab13などを同定した。Rab13の活性型や不活型の変異体を作製し、破骨細胞前駆細胞へ導入したが、破骨細胞の分化・形態・サバイバルなどに大きな影響はなかった。MnSODに関しては、MnSOD floxマウス骨髄細胞から分化させた破骨細胞にアデノウイルスを用いてCreリコンビナーゼを導入し、MnSODノックダウンを行った。本実験系において、MnSODの発現レベルはコントロールに比較し低下しているものの、完全にノックアウトすることはできなかった。ノックアウトは不完全であったが、破骨細胞の骨吸収機能は有意に減少し、MnSODの骨吸収における重要性が示唆された。MnSODのノックダウンにより予想されるアポトーシスの亢進はみられなかった。現在、破骨細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスとMnSOD floxマウスを交配させることにより、破骨細胞特異的MnSODノックアウトマウスを作出し、解析中である。
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