現在の疼痛、特に慢性疼痛に対する治療は、抗炎症薬や麻薬性鎮痛薬の使用が中心であり、頻回の反復投与が必要である。この現状は患者に負担をかけており、QOLは低下する。これを改善すべく、簡便に長期にわたって内因性オピオイドを産生できる遺伝子導入を試みている。 現在までに作製したプラスミドを中心に、疼痛モデルマウスに投与した。 疼痛モデルは、坐骨神経結さつモデルを用いた。 プラスミドにhPPEを組み込んだhPPE群と、含まいコントロール群を比較した。その結果2群において差がなかった。用いたレトロウイルスベクターによるファクターも考慮し、今回新たなレトロウイルスベクターを作製した。そもそも、われわれはその簡便さや安全性からプラスミドそのものの投与にこだわっている。しかし、プラスミドのみでは細胞内への取り込みが少なすぎるために効果が無いのか、それを調べることとした。そのため、今回われわれは新規に作製したベクターをもとにウイルス産生細胞を作製した。まず、一過性にアンフォトロピックレトロウイルスを作製した。細胞はGP+E86細胞を用いた。今後、これらのプラスミドおよびウイルス産生細胞を相いてin vivoの実験を実施していく予定であった。また、これらの実験と同時に疼痛治療の標的となりうる分子等を考慮した。
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