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2007 年度 実績報告書

オレキシン系を介した静脈麻酔作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19591778
研究機関筑波大学

研究代表者

山本 純偉  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50402376)

キーワードオレキシン / 静脈麻酔薬 / 覚醒 / ミダゾラム / クロニジン
研究概要

これまでの研究から、オレキシンはナルコレプシーと深く関わっていることが明らかとなっている。オレキシンシステムは、正常な睡眠覚醒サイクルの形成、特に覚醒の維持に重要な役割を果たすと考えられていることから、静脈麻酔薬の鎮静・覚醒作用にも関わっていると考え以下の実験を行った。オレキシンニューロンのみを特異的に脱落させたorexin/ataxin-3マウスとオレキシン1受容体(OX1R)欠損マウスを用い、ベンゾジアゼピン系静脈麻酔薬のミダゾラムを腹腔内投与し、鎮静作用に与える影響を調べた。ペントバルビツール麻酔下にオスの成体マウスに脳波と筋電図の電極を埋め込んだ。手術から一週間以上経ったマウスをエーテルで麻酔し、記録用ゲージに移し、電極を記録計につないだ。1時間後に麻酔薬を腹腔内投与し、脳波、筋電図、赤外線センサーで測定した行動から、麻酔覚醒までの時間を調べ、同腹または月齢の同じワイルドタイプマウスと比較した。orexin/ataxin-3マウスはコントロールに比べ有意に覚醒までの時間が延長したが、OX1R欠損マウスでは有意差は認められなかった。orexin/ataxin-3マウスではα2アドレナリン受容体拮抗薬のクロニジンの投与も行ったが、ミダゾラムと同様に覚醒時間の延長がみられた。このことからオレキシン系が麻酔薬の鎮静・覚醒作用に影響を与えていることが明らかになった。さらにOX1R欠損マウスに比ベオレキシン1、2両受容体が欠損しているorexin/ataxin-3マウスでの影響が大きかったことからオレキシン2受容体が覚醒に与える影響が大きいことが予想される。今後、オレキシン2受容体欠損マウス、オレキシン過剰発現マウスでさらに実験を行う予定である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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