研究概要 |
今回の研究の目的はNMDA、一酸化窒素または無酸素無グルコース暴露による脳虚血モデルにおいて静脈麻酔薬、NMDA拮抗薬、一酸化窒素合成酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、フリーラジカルスカベンジャー等の薬物の神経保護作用の作用機序を細胞内カルシウムイオンの制御及びマイトジェン活性化プロテインキナーゼの点より明らかにすることである。我々が今回調べるのは細胞内カルシウムイオンの制御、カルシウムイオン依存性のPyk-2やMEK-ERK 1/2のリン酸エステル化、カルシウムイオン依存性のJNK-cJunやp38経路のリン酸エステル化、アポトーシスのレギュレーター(Akt, GSK, Bad, Fork head protein, p90 RSK)であり、これらの経路のリン酸エステル化の変化及び関連転写要素を測定する。 さらに、現状に於いて形態学的検査にのみ拠って判定されていた生存神経細胞に対し、カルシウム蛍光プローブを用いることにより細胞外液よりのカルシウムイオン流入、細胞外刺激によるGタンパク活性化に基づく遊離IP3による小胞体からのカルシウム放出、微量のカルシウムによる小胞体からのカルシウム放出を測定する事により細胞内カルシウムイオン動態を把握する。
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