研究課題/領域番号 |
19591793
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
持田 晋輔 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (70403433)
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研究分担者 |
松浦 逹也 鳥取大学, 医学部, 教授 (00199746)
稲垣 喜三 鳥取大学, 医学部, 教授 (40184717)
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キーワード | 急性肺傷害 / リン脂質 / マクロファージ / サイトカイン / 一酸化窒素 |
研究概要 |
前回までの実験で、カルジオリピン(CL)前投与がリポポリサッカライド(LPS)によるマウス急性肺傷害モデルを予防することが明らかになったので、その抑制機序を探るためにCLの血中一酸化窒素(NO)および腫瘍壊死因子(TNF)-αレベルに及ぼす影響について検討した。LPSは10%ジメチルスルポキシド(DMSO)を含むphosphate-buffered saline(PBS)に溶解し、40mg/kgの用量で投与液量6ml/kgをマウスに腹腔内投与した(n=10)。LPS投与84時間後の生存率は40%に低下していた。CLを10%DMSOを含むPBSに溶解し、100mg/kgの用量で投与量6ml/kgをLPS投与3時間前にマウスに腹腔内投与し、LPS投与84時間後の生存率に与える影響を検討した。その結果、CLを前投与した場合、生存率は90%に改善した。LPS投与18時間後の血中NO濃度は, LPS単独投与では152.1±13.5μmol/lであったが、CL前投与はこのレベルを115.8±1.5μmol/lと有意に抑制した。また血中TNF-αレベルもCL前投与により、147.6±41.8pg/mlから55.1±10.5pg/mlへと抑制されていた。以上の結果より、CLはLPSによって誘導されるNOやTNF-αなどの炎症性メディエーター産生を抑制することにより、マウス急性肺傷害を防御することが示唆された。
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